緊急支援   バンガリー地区水配給
  
ケニア全国誌
デイリーネイション

NATION

2004年8月21日
ガリッサを拠点とする日本のNGOミコノ インターナショナルによって得た水で、ゼイナブ アブディ婦人は早速、息子をきれいにしている。この遊牧民たちは、多くの試掘孔が干上がってしまい水不足に打撃を受けている。
   
 
干ばつ被害

今年(2004年)、4〜6月の雨季にほとんど雨が降らなかったために、ケニア国内のうちコースト、タナリバー周辺、マンデーラ、ワジア、ガリッサ、トゥルカナなど標高が低く、気温の高いこれらの地域は深刻な水不足事態となった。

私たちの住むガリッサ県の隣、タナリバー県、バンガリー地区の住民は、雨水だけで生活しているため、6月早々から私たちに援助を求めてきた。なかでも子どもが水の代わりにガソリンを飲んで亡くなったという話しもあった。
       水配給事業

期間: 6月9日〜11月14日まで
水を運んだ場所: バンガリー
            トゥラ地区3箇所
            カトゥンバ
            ラガデレ
            ランゴー
水量: 毎日  14トン〜28トン
費用: 約 200万円
費用内訳: 水代(井戸水)
        車燃料代
        水中ポンプ始動燃料代
        車修理、管理代
        タイヤ代
        人件費
        その他、雑費
  
水配給の苦労話

まず、この6月の始めにホラ県バンガリ村(ガリッサに来られた時に寄った村)より依頼が有り水運びを始めました。
この村の人たちの生活は雨季には近くに有るたまり水で過ごし、乾季には村のため池の水を家畜と共に生活の為に共同で使います。村ではその水を管理する組織がありました。
水を運び始めた時に燃料代はその水を売った中から出してもらいましたがどう見てもそれ以上の収益があるようでした。
水運びを続けているとトラックの故障やオイル、タイヤなどの消耗が目立ってきます。知り合いの人から中古のタイヤを貰ったりしてどうにか続けていたのですがどうにもならない状態になり、私達は水を売って儲かっている資金を明確にする様にして、そしてそのお金でタイヤやオイルドライバー達の昼食代に充てる様に迫りました。
 
数日後このバンガリ地域選出の国会議員の人が来て仲介に入り、その方がタイヤ3本と月々10000シルの車両修理代を出すと申し出たので、ミコノが立替えてタイヤを三本買いました。そして水運びを続けていたのですがタイヤ代をはらう気配がなく、こちらからしつこく請求した末にようやく二本分だけ払いましたが、残りの一本分(20.000シル)と月々の車両修理費はまだ貰えない状況でした。そして更にしつこく請求したところ「お前達は俺の悪口を言いふらしている、もうお前らの水は要らない」との開き直りで、それにはこちらもあきれてしまいました。
 
ちょうどその頃、燃料代は政府機関のホラ県旱魃対策委員会より出ていました。ここからも電話が有り、「ホラ県の資金をガリッサ県の人間に使うのはけしからん!」と言うような内容でしたが、その時点では私達には理解できない様な内容でした。ミコノでは1ヶ月の水運び予定表を立ててどこの地域にも均等に不足がないように運営していました。これはどうしたことかと思い、訪ねてみたところ、@草の有る所を求めてガリッサ県の人達がバンガリー地域(ホラ県内)に移り住んだこと、Aバンガリー地域への水運びに対して燃料代を出すのはホラ県の事務所ですが、実際私達の車が燃料を貰うのはガリッサ県の事務所からであったこと。この当たりからの行き違いがあったようです。
 
とにかくホラの国会議員の話では「水は要らん」との事でしたので、とりあえず止めて様子を数日見て居ましたら、ホラ県の知事や治安関係の人達、旱魃対策委員会の長などが水運びを継続して欲しいと依頼にきました。国会議員が要らん!と言ったところでやはり住民は水が無くては生活していけないのです。そこで最終的に、ホラ関係の所にはホラの資金で、ガリッサ関係の所にはガリッサの資金で燃料代を出し、バンガリの水は住民に無料で分ける様になりました。国会議員の未納の金はホラ県知事が払う様に話をしてくれる様ですがどうなるか分りません。
 
11月に入り、ようやく念願の雨が降り、乾いた大地一面に草が生えてきました。本当にやれやれです。
水タンクのないところは、ビニールシートを広げて、一杯になると住民がそれぞれの容器にとり、無くなるとまたシートに水を溜めて、とそれを何度も繰り返した。ここでの水配給は一日仕事であった。 ラクダは2週間、水を飲まなくても生きられるそうだが、次から次へと旅から帰ってきたラクダがやってきて、ここに住んでいる住民よりはるかに水を必要としているような…
バンガリーへの水供給の問題点

1、ミコノインターナショナに緊急事態に対応できる資金  がなかった。
2、事業初期は、住民から水代として支払われるお金を燃料代と水代に当てていたが、いつも不十分額であった。
3、私たちの車や牽引車は古いため、故障が多く、メンテナンス代やタイヤに費用がかさんだ。
4、干ばつ被害地が増え、水を運ばなければならない場所が増え、住民から催促が多くなった。
5、場所によっては、住民が貧しくて車の燃料代が出せないのでミコノが負担しなければならなかった。
6、バンガリー地域の有力者が、お金を出すといって当てにしていたら払ってくれなかった。
7、ガリッサ県とタナリバー県の旱魃対策委員から燃料代やタイヤを寄付してもらえるようになったが、2県にまたがるため両旱魃対策委員間で行き違いが生じることもあり、ミコノに対して不満、疑惑を持った。
毎日、水を運んでいると車の故障、パンク、水タンクの水漏れなどなど次々と問題が発生、村に到着するのが夜になることもしばしば、待ちくたびれた住民は怒るどころか狂喜して近寄ってきた。
水配給運営資金援助

ガリッサ県ガリッサ旱魃対策委員会
タナリバー県ホラ旱魃対策委員会
バンガリー地区選出国会議員 アリ ワリオ氏
ガリッサBPガソリンスダンドのオーナー シャキール氏
ガリッサ建設業社長 ワンジャウ氏
ミコノの会 会員 二日市 喜昭氏
事業を終えて

事業を始める時は、これほど長期になるとは思っていなかった。ミコノに資金力はなかったのだが、最後までやり通せたこと、何よりも困っている人たちに喜んでいただけたので私たちにも達成感、満足感があった。
ケニア政府の旱魃対策委員やガリッサ住民の有志、8月に日本から視察団で来られた二日市氏からの支援をいただけることになり、本当に有り難かった。
また、水運びに関わったケニアの若い青年たちが、育ってくれたと思う。問題が起こるたびに苛立ち、止めたくなることが多々あったが、多くの人たちに救われ、教わり、私たちもまた成長させていただいた。現地の人たちとまた一歩近づき合ったと思う。